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中国シナリオ#2-女性キャラクター(後編の後編)

キャラストーリー最終回。ハイティーン3人一挙紹介。
話の中に中国チュートリアルクエストの彼が出てきたことに驚きました。
ひょっとしたら今までの話の中にNPCが登場してるかもしれませんが、全く気づかずに適当に訳しちゃってるかもです。

花雪と寒月はセットになってるので是非読み比べてみてください。
それにしても眼鏡の彼女、意外と喧嘩強いんですねー。
彼女の眼鏡や蘭命の鉢巻のエピソードも入っていて結構面白かったです。
残念ながら花雪の変な髪形のエピソードはありませんでした。

花雪(ファー・シュエ)

20070707123351.jpg
韓国版名:楚雪
職業:お嬢様
年齢:18
中原には3人の有名な官吏がいた。
異民族との戦いで大きな成果を上げ、妖怪討伐に力を注いでいる大将軍孫玄。
政治に参加する官吏の中で国を心より思い、真面目な忠臣と謳われている皇宮大臣の邦県令。
そしてお世辞と姦計をもって皇宮大臣までのし上がってきた奸臣魏征である。

この3人はお互い理由は違うが皇帝より寵愛を受ける役人であり、彼らの発言は莫大な影響力を持っていた。
彼ら官吏の中で邦県令と魏征はお互い出世した背景が全く違うので、仲の悪いことで有名であり、お互い失脚させる機会を虎視眈々と狙っていた。

この二人の皇宮大臣には娘が一人ずついた。
魏征には楚雪(日本版名:楚雪)というおてんば娘が、邦県令にはいつも読書ばかりしている月娟(日本版名:寒月、眼鏡娘)という娘がいた。

奸臣である魏征は自分の娘だけは他人の機嫌を伺わないようにするため大事に育てた。
幼い頃から過保護に育てられた楚雪は傍若無人な性格で世間の常識を知らない少女になり、友達が一人もいなかった。
魏征に取り込んでもらえるように近づいてくる役人達は、魏征が娘を可愛がっている事を知り、楚雪の眼に入るように自分の子供を楚雪と仲良く過ごせるように努力したが、誰もがそのわがままな性格に手に負えず、一ヶ月もしないうちにあきらめることになってしまった。
しかし楚雪には友人ではなくても遊び相手が多かったので、彼らが立ち去ってしまってもあまり気にはしなかった。

楚雪が傍若無人に過ごしていたある日、大将軍孫玄が黄河に出没した巨大な妖怪を征伐したことを褒賞するため皇帝が宴会を開き、楚雪は父と一緒に宴会へと参加した。
しかし大人ばかりの宴会は楚雪にとってはつまらないものだったので彼女は密かに場を抜け出し、何か面白いことを探すために皇宮を歩き回った。
そんな中楚雪は皇宮の庭園の片隅で本を読んでいる一少女を見つける。
月明かりの下本を読んでいる姿は楚雪の好奇心を呼び覚ますのにぴったりであり、彼女は庭園を横切って少女に歩み寄り、声をかけた。
しかしその少女は楚雪に眼もくれずに相変わらず本を呼んでばかりいて、楚雪はそんな彼女の態度に腹が立った。
もしかしたら耳が聞こえない人なのかと思い、彼女が読んでいる本を奪ってみようと思った。
楚雪が本を奪おうと本を出した瞬間少女の身がすばやく動き、楚雪の手は虚空をかすめた。そしてその少女はいつの間にか体を向き変えていた。
幼い頃より護身用の武術を学んでいた楚雪にとって弱そうな少女が自分の動きを避けたのがあまりに不思議だったと同時に頭にきた。
そして楚雪はいきなり少女に向かって拳を食らわせようとしたが、その少女は楚雪の拳を全てよけた上、自分が読んでいた本で彼女の頭を殴り飛ばした。
強い一撃に楚雪は倒れ、倒れた彼女をしばらく眺めていたその少女はまた本を手に取り、本と実践では違うのでこの本はよくないと嘯きながら楚雪を放っておいたまま庭園を横切って去ってしまった。

今までそんな仕打ちを受けたことが一度も無かった楚雪は、その少女が自分にした行為があまりにも衝撃的であり、その日から楚雪はその少女を見つけて復讐するために人々を訪ね歩き、その少女の正体を聞こうとした。
しかし以外とその少女のことを知ってる人は多く、簡単に彼女の招待を知ることができた。
その少女は皇宮大臣の邦県令の娘である月娟であり、幼い頃から他人とかかわらず一人で武功を磨いている奇妙な行動で有名な少女であった。
月娟の話を聞いた楚雪は彼女に対して興味を持ち始めた。月娟は親が仲の悪い家の子供だったが、自分が世界の忠臣だと思っている楚雪にとっては何の問題でもなかった。

翌日から楚雪は月娟と会って自分の好奇心を満たすため、たえずに月娟の行方を追い始めた。
主に家の外の静かな場所で本を読んでいる月娟を探すため、楚雪はあらゆる方面に人を送り、月娟を探し出しては絶えず追い回した。
もし月娟がどこにも見当たらなければ楚雪を嫌っている邦県令の家にもことわりなく訪ねて門をたたくほどであり、楚雪の月娟に対する好奇心は想像を絶するものであった。

こうして一方的に楚雪が月娟を付きまとい始めてから1年ほどたつと、楚雪は月娟が天気や気温によってどこにいるかをおおよそ把握した。
そして人をやらなくてもその日の状況によって月娟がどこにいるかが分かるようになった。
月娟が本を読んでいるといつの間にか楚雪が横にいる姿を自然と見るようになり、楚雪は絶えず騒ぎたて、月娟はたまに返事をする程度であったが、彼らの間に友情が芽生え始めることになる。

ある日月娟が同じ年の少女を一人連れてきて楚雪に紹介をした。
新羅からきた世蓮だと自己紹介した彼女はとても美しく懸命な子供であった。
世蓮は、楚雪がいくらがんばっても一日に十言ぐらいしか話さなかった月娟と普通に会話をし、お転婆な楚雪の行動を全て受け入れながらも楚雪の行動を悪くない方向へと制御するなど不思議な力を持った少女であった。
世蓮とはよく会話をする月娟の姿が初めは妬ましかったので、楚雪は世蓮を苦しめようと努力したが、努力すればするほど自分が悪いような感じがしきりにするようになり、一度もお願いをしなかった月娟が世蓮とうまくいくことを願うと楚雪は世蓮に心を開いて親しく過ごすようになった。

こうして3人の少女が出会ってからお互いの方向は違ったが幸せなときを過ごし、2年の歳月が流れた。
その日もいつものように月娟が本を読んでいる場所へ楚雪は3人分の弁当を作って遊びに行った。
しかし自分を迎えてくれる友人の姿が普段と違って暗いことを感じ、何があったのかを聞くと、世蓮の父が中国での仕事を終え、遠くの西国まで旅に出るのでそれについていくことに決まったと話した。
仲が良くなり一緒にやりたいことがとても多かったのに別れなければならないという悲しい知らせにその日は静かであり、弁当を食べている途中に楚雪が泣き出すと、世蓮ももらい泣きし始めた。
夕刻になり別れなければならない時間になると世蓮は楚雪と月娟に贈り物を一つ筒渡した。
不自由なく育った楚雪にはこれといって渡すものが無かった世蓮は、彼女に新羅から持ってきた自分が楽しんでいた本を贈り、月娟には世蓮の父が外国の商人からもらった眼鏡というものを贈った。
それを最後に彼らは別れを告げ、世蓮は翌日遠い旅に出た。

世蓮が去った翌日にも楚雪と月娟は普段のように会ったが、彼らの間にはぎこちなさがあった。
楚雪と月娟の仲立ちをしてくれた世蓮がいないので楚雪は月娟に対してかんしゃくを起こしそのまま家へと帰ってしまい、そのまま数日の間楚雪は月娟を訪ねなくなった。
数日家に篭って悩んだ楚雪は決断し、翌日月娟を訪ねて自分の決心を話した。
その内容は世蓮に会いに行こうというものであった。
意外と素直に月娟は楚雪の決心に同意し、彼らは旅に出る準備をして三日後にまた会うことにした。

長旅をしたことがなかった楚雪は無鉄砲にも高い品物ばかりを準備し、父に手紙一枚を残したまま三日後家を出た。約束の時間よりも早くに到着した楚雪はときめく心で月娟を待ったものの、約束時間が過ぎても月娟はこなかった。
約束時間は子の刻(深夜12時)であったが、それを過ぎても来ない月娟にたいして楚雪は失望を感じた。
結局鶏が鳴き出す時間になっても来なかったので楚雪は一人で旅に出ることに決め、出発しようとしたその時、遠くで大きな荷物を担いでくる月娟の姿が見えた。
何の言い訳もせずにそのまま笑って自分についてくるよう言う月娟に楚雪は殴りたくなったが、飛び掛ったところでどうにもならないのでそのまま我慢し、世蓮を探すための遠い旅に出た。

寒月(ハンユエ)

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韓国版名:月娟
職業:読書家
年齢:18
中原で忠臣として広く人々に知られている皇宮大臣の邦県令には、何よりも大切な月娟(日本版名:寒月)という娘が一人いた。
妻が娘を産んでいる最中に死んだことで、自分に残った親族は月娟しかいなくなり、邦県令は彼女が本当に幸せに過ごせるようあらゆる努力を尽くした。
邦県令は月娟が他の女の子のように美しく育ち、いい旦那とであって女としての幸せな生涯を送ることを願ったが、月娟はそんな親の期待を裏切る行動ばかりをし、邦県令の心はとても痛かった。

月娟は体が弱かった自分の母が自分を産んで死んだということを幼い頃に知った。
それを知ってから月娟は家にある武功書を読み、人が寝るようになった時間には武功書の内容を一人で演習もした。
実は月娟も母の体の弱さを受け継ぎ、産まれたときはむしろ体の弱い子供であった。体が弱くて外出するときも気をつけなければならなかった彼女は、自分の母のようにならない為にと武功に関心を持ち始めたのである。
邦県令は彼女の意思を知り、彼女に武術の師範を招いて正式に武術を学ぶように誘ったが、虚弱で他人との交流が良く分からなかった月娟は最後まで独学でやると意地を張った。
こうして月娟は一人で武功書を読みながら少しずつ武術を習得し、健康状態も徐々に良くなって数年後には外出しても問題無いほどになった。
元気になる月娟の姿を見て邦県令は気持ちが良かったが、他人と交流しない彼女の姿を見てまた他の心配が生まれ、親の子に対する欲心はきりが無いと思い、元気になった月娟の姿だけでも満足しようと思った。
十余年を家の中で本を読んでいた月娟は健康を取り戻すと外出して本を読むことを楽しみ、人があまり来ない場所へ行ってはそこで武功書を読んだ。

こうして平穏な生活をしていたある日、大将軍孫玄が黄河に現れた巨大な妖怪を倒したことを祝うため皇帝が宴会を開き、月娟は父と一緒に宴会へと参加した。人が多い場所へと行くのがいやだった月娟であったが、それでも皇帝の命令だったので仕方なく参加することになった。
宴もたけなわになり、雰囲気があわただしくなると、適応できない月娟は宴会場を静かに抜け、高級の静かな庭園の片隅で月明かりの元本を読み始めた。
ずいぶん長い間本を読んでいたときであった。誰もいない庭園で一人の少女が自分に近づくことを感じた月娟はとても緊張したが、平然として本を見ることに集中しようとした。
月娟に近づいた少女は彼女にお前は誰で独りで何をしているのだとあれこれと聞いてきたが、緊張していたので口がうまく動かなかった。
こうして少しの間ためらっているとき少女が月娟に急に手を伸ばしてきた。
突然の少女の行動に驚いた月娟はすばやく動いて彼女の手を避けた。少女の行動にも驚いたが自分の速い動作にも驚いた月娟はしばらくぼやっとしたが、月娟を仕損じた少女がいきなり殴ろうとしてきた。
彼女の動きがまさに今読んでいた武功書にある動作と似ていることを感じた月娟は余裕のあるようにその拳を避け、本に書いているとおりに拳を食らわせた。しかし自分が本を持っている上体ということをうっかり忘れていたので、自分の手は本と共に少女を強打し、それが強い一撃となったので少女は大きな音を出して倒れてしまった。
生まれて初めて他人と戦って、そして勝ったことに月娟は嬉しかったが、そんなそぶりを見せたくなく、本が悪いんだといいながらその場所をすばやく去った。

そんなことがあった数日後、少女はどうやって知ったのか月娟が本を読んでいる場所を尋ねて自分を楚雪(日本版名:花雪)だと紹介し、一緒に遊ぼうと誘った。
内心嬉しかったがなんだか面倒でもあり、その意図がわからないので月娟は返事をせずに場所を移ったが、楚雪と言う少女は毎日のように月娟に付きまとって彼女に迷惑をかけた。
数日間月娟に苦しめられた月娟は雨も降っていたことだし家の中で本を読もうと思った。しかし朝から誰かが門をどんどんと叩き、人が出てみると邦県令の家では敵のように思う皇帝大臣の魏征の娘が門を叩いて月娟に会わせてくれといっていたのであった。
家の中が大騒ぎになり、邦県令がどういうことなのか月娟に問いただし、彼女はありのまま父に話をした。
状況を把握した邦県令は楚雪が悪い意図で自分の娘に近づいたのではないと思い、楚雪をよくたしなめて帰したあと、月娟に悪い子供ではないので仲良く過ごしなさいと勧めた。
その日から月娟は楚雪が横でうるさく振舞っても位置を移動したりせずそのまま黙々と本を読み、楚雪は彼女なりに一人で月娟の横で遊んでいる変な関係ができ、彼らの間にお互いに対する友情が芽生え始めた。

そんなある日のこと。父が初めて見るような服を着た数人の人と一人の女の子を連れて家に帰ってきた。
邦県令は彼らが東国の新羅から来た大事な客で、唐での仕事が終わるまで家に泊まるようになったから仲良くするよう言った。
彼らの中で一番年上の人が月娟に近づき、自分は新羅の商人である朴霜勳だと紹介し、自分の娘である世蓮と月娟が同じ年なので不慣れな中国でも世蓮が困らないようにすごせるよう頼んだ。
楚雪とは違い年に似合わず成熟した姿に美しい顔、そしてしとやかな言動の世蓮をとても気に入った月娟は分かったと約束し、世蓮の手をしっかと取った。

翌日月娟は世蓮をつれて自分が本を読む場所へと連れて行き、楚雪と会わせた。人の相手をすることが下手だった月娟は自分より楚雪が世蓮と仲良くできると重い、世蓮なら楚雪の天方地軸である性格をうまく扱えると思った。
月娟の考え以上に世蓮は楚雪と月娟の間で仲を取り持つ役目を立派に遂行した。
しかし世蓮に対する楚雪の行動を少しひどいと感じて胸が痛かった月娟はある日楚雪に世蓮と仲良くするよう願い、それからは楚雪の行動は友好的になり3人仲良く幸せなときを過ごした。

2年という月日が過ぎ、世蓮の父が中国での仕事を終えて他国へ出発しなければならないときがやってきた。
それを聞いた月娟はその晩一晩中泣き、世蓮は何度も経験したことだが今度だけは別離を受け入れ難がった。
立ち去る前日世蓮は楚雪に去らなければならないことを話し、その日楚雪が持ってきた弁当を食べて楚雪が先に泣き出すと世蓮ももらい泣きし始めた。
世蓮は月娟に眼鏡を贈って立ち去り、月娟と楚雪はまた以前の関係に戻った。

しかし楚雪は二人だけになった状況が気に食わなかったのかかんしゃくを起こして家へと帰ってしまった。その後楚雪が数日見えなくなったので月娟は心配になったが、とりあえず待ってみることにした。
数日後楚雪が姿を現した。月娟を見るとつかつか近づいた楚雪は世蓮に会いに行こうと言い、数日の悩みをずっと考えた結論が世蓮に会いに行くことだということに、月娟はあっけなかったが楚雪ならそう考えるだろうと一人で首を振った。
旅に出る準備をして三日後にまた会うことにした彼らは分かれて各自の家に戻った。
楚雪は密かに旅に出るといったが、自分が去ってしまえばさびしがる父を思うと月娟は簡単に決心がつかなかった。

ためらっている間に旅に出ることにした日になった。楚雪との約束の時間になっても勇気が出なかった月娟は部屋をうろつきながらそわそわし、急に月娟の部屋に邦県令が尋ねてきた。
邦県令は月娟と楚雪は旅に出ようと思っていることを全て言っているといい、自分は大丈夫だから旅に出て広い世間を経験してきなさいといい、月娟は父の心がありがたくとめどなく涙を流した。
父の許しを得てやっと決心が決まった月娟はあたふたと荷物をあつめ楚雪の元へと駆けつけた。
時間があまりにも過ぎていたので楚雪は先に行ってしまったのではないかと心配したが、幸いにも楚雪は彼女を待っており、嬉しかった月娟はぱっと笑って楚雪に行こうと言った。
楚雪は別段計画を持っていないと思った月娟は一応特産品店を訪ね、西へと貿易に出かけた商団が無いかどうか調べることがまず先だと思い、特産品店へと向かった。こうして二人の少女の友達を探すための旅が始まり、それはちょうどシルクロードの中へと一歩づつ踏み出す冒険の道となっていた。

蘭命(ランミン)

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韓国版名:斯琴
職業:戦士
年齢:17
中原の長安には数多くの人々が生活をしている。貿易をする人、商売をする人、農業をする人、喧嘩をする人・・・。その幾多の人々の中に餓狼というあだ名を持った武士は、その日も剣一本を腰に下げ、村の中をうろついて金になる仕事を探して歩き回っていた。
しかしぱっと見ただけでワルに見えるかれを使おうと思うところは誰もおらず、日が暮れるまで仕事を探しても一日無駄になっただけで何も食べることができず力の入らない足を引きずって家へと帰っていった。
今にも崩れそうな倉庫で密かに暮らしていた彼であったが、そんな場所でも見つけられたのが幸いだといって倉庫に入っていこうとしたとき、門の近くで捨てられている一人の赤子を見つけた。
安物の風呂敷に包まれていた赤子は、自分が捨てられたことも分からないのか笑っていて、彼はしばらくその純粋な顔を眺めているうちに幸せな気分になった。
捨てられた赤子を哀れんで倉庫の中へと連れて行こうとした彼はふと自分の食べ物すらないのに赤子を育てるとなると二人とも飢え死にするかもしれないことに気づき、赤子に伸ばした手を引っ込めた。
そして彼は赤子の横に座り、一晩中悩みに陥ることになる。
赤子と一緒に飢え死にするのか、それとも赤子に気づかなかった振りをして自分だけ生き延びるのか。
思い悩んでいる途中に日が昇り、そんな餓狼の悩みがわかるのか、日が昇るとぐっすり寝ていた赤子が急に泣き始めた。
赤子の鳴き声に驚いた餓狼は泣き止ませようと赤子をあやしたが無駄であった。
赤子に対する知識の全く無い彼は子供がどうして泣くのか分からず苛立ち、結局近くにある市場へと駆けつけて市場のおばさんの一人に赤子をみせてどうして赤子が泣いているのか教えてくれと頼んだ。
市場のおばさんは赤子が空腹で泣くのであり、餓狼の姿を哀れんだのか赤子と餓狼に食料を分け、それをきっかけに彼は赤子を連れて通い食料と働き口をもらうことになった。

いくらワルにみえる餓狼でもかわいい赤子と一緒にいれば純粋な青年に見え、赤子が人々の人気を独り占めしたのでどこへ行っても子供のおかげで人気が出るようになった。
こうして餓狼と子供の同居が始まり、彼は子供に斯琴(日本版名:蘭命)と名づけ、実の子の様に育てた。
数日後一商団の荷士となった彼は安定した職に就き、斯琴はこれといった差し支えなくすくすくと成長した。
斯琴は成長しながらもより人々の人気を集めるようになった。赤子のときから顔に選り好みをせずに人々とすぐに仲良くなれる子供であったので、長安の市場で斯琴のことを知らない人はいないぐらいであった。
そんな斯琴を娘にしたくて餓狼に近づく女は何人もいたが、彼はいつも結婚には関心がなく恋愛を楽しみたい風に行動したので、浮浪者のような態度に多くの女はあきらめて立ち去った。
斯琴もやはり母を持ちたくはあったが餓狼の態度があまりにも断固としていたのでこのまま暮らすことを心に決めた。

歳月がたって斯琴が17になった年である。いつも家へ速く帰ってきて斯琴と一緒に夕食を食べていた餓狼であったが、いつの日からか夜遅くに帰る事が多くなり、いつも緊張している姿を見るようになった。
変に思った斯琴は何かあるのかと餓狼に聞いたが、彼は別に仕事関係だから心配しないようにと斯琴との会話も避けるようになった。
たとえ実父ではなくても餓狼を実父のように思っている斯琴であったので餓狼を信じることにしこれ以上何も言わないようにした。

そんなある日寝ていた斯琴は誰かが自分のそばに座っている気配を感じた。
自分の頭をなでている動きに餓狼だとおもった斯琴はそのまま寝た振りをして父の時間を邪魔しなかった。
しばらく座っていた餓狼は自分の鉢巻を解き、斯琴の枕元において急ぎ足で部屋を抜け、餓狼が部屋を出た後起きた斯琴は餓狼の鉢巻を眺めてこれが何を意味するのか、何が起ころうとしているのかに対して悩むようになった。
しばらく後、外で数人の人々が争う音が聞こえ、家のものが壊れる音が聞こえた。驚いた斯琴は外に出てみると、そこには黒服を着た刺客たちが餓狼を取り囲んでいた。
今にも餓狼を殺しそうな勢いで刺客は剣を持ち、もう何回か攻撃を受けたのか彼の腕からは血が流れていた。
餓狼の血を見て驚いた斯琴は悲鳴を上げ、それを聞いた刺客の視線は餓狼から斯琴へと向けられた。
その隙に乗じて餓狼は刺客一人を蹴った後、すばやく逃げ始め、餓狼を逃した刺客たちは急いで餓狼が逃げた方向へと飛び出した。
こうして餓狼が逃亡した後二度と帰ってこなくなり、斯琴は餓狼がどうして攻撃されたのか、どうして鉢巻を自分に残したのか分からぬまま時が過ぎた。

数日後、餓狼の生死が心配になった斯琴は舞ってばかりでは解決されないと思い、家を整理した後彼女の前にどんな真実が待っているか分からぬまま、ただ餓狼が生きていることだけを望んで彼を探すための旅に出た。



というわけで52人全て紹介完了です。 thx
日本版の名前とか参考にしてたら今丁度この画像出ましたわ。
最後まで読んでくださった方には感謝です。
次回は中原のアイドルである、あのお方が登場します。
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